ライブDVD制作記

本日は、バレンタインデーですね。
街行く人に、
「チョコはありませんか?あの、、少しだけでも、チョコはありませんか?どうか…僕にもチョコレートを…。」
と訴えかけながら練り歩く日です。

しかし、そんな時間はありません。
ライブDVDの音声制作をしています。

控えめに言っても、ずっと制作を続けています。誰かに急かされている訳ではありませんが、集中してこの世界に入り込み続けないと完成しないような気がしているからです。

前回書いたように、ライブDVDの音声がマルチトラックレコーディングのトラブルにより収録できていませんでした。
個人的に客席からレコーダーで収録した音声と、映像カメラ16台に残っていたオマケの音声、それらの素材を使って、あの日のライブのダイナミズムを再現しようというのですから、至難の業といってもよいでしょう。

だから、浮かれて街に繰り出している暇はないのです!

…ふう。

 

と、とにかくずっとライブ音声のミックスをしています。
まず、ほぼ半分以上の映像カメラの音声はバリバリ割れていて使えないので、
残されたカメラ音声、、、しかもモノラル!を上手カメラは右、下手カメラは左に配置してステレオにしてみたり。
唯一まともなエアー音声の2トラックを、各周波数帯に分けて、これはベース、これはキック、これはボーカルなどと可能な限りマルチっぽく疑似的に作り出したり。
色んな場所で収録した音声を重ねるので、位相の問題を解決するために、耳で聴いて良い感じの場所を波形をズラしてひたすら探していったり。

わかる人からすると、狂気のミックスと呼ぶに相応しいですね。。。

狂気のミックス中の画面。

青くギザギザして見えるのは、歌を聴いて気になるところは一音一音のボリュームを手で書いて調整したボリュームカーブ。
ライブは3時間近くあるので、一音ずつ聴いてこのボリュームを書く作業だけで…気が遠くなりますね。

作業をしていると、自分は困難であるほど燃えてくる性格なのだと気が付きました。

試行錯誤を繰り返していると、
やはりどうしても足りない部分があったりして、どうしようどうしようと考えている内に、気が付いたら新しい機材を買っていました。

やってしまった。。
これで、ライブが終わったら記念に買おうと思っていたギターはあきらめることに…。

あの機材さえあれば、と考えてしまうのは悪い癖なのか。
でも、実際に機材が解決してくれる場合もあるし…ライブDVDのためだ、と自分に言い聞かせます。

マスターバスプロセッサー。
マスターに挟むだけで魔法のように、、、
とまではいかないようですね。

テストなどと悠長なことは言っていられないので、いきなり実践投入で馬車馬のように働いてもらいます。
この時の心情を書くと、「おい、新入り!いいか、マスターバス何とかだか知らんが、一流スタジオにラッキングされて、お上品に仕事させてもらえると思うな!ここに来たからには、どんな素材でもピカピカに磨き上げるんだ!さあやってみろ!」という感じでしょうか。

しかし時々、白い見た目と、チカチカするメーター類に思わずウットリと見とれてしまいます。

 

2ミックスに少しでも奥行きや広がりを出したくて。
M/S処理できるプラグインを色々と試しても気に入る結果にならず、半狂乱になっていたところ、アウトボードならば解決できるのではと考えて導入し、結果も満足のいくもので、滑らかに広がり感が出せたのではないかと思います。

コンプやリミッターも使ってみたのですが、
まったく癖がなく今回の音源には合わないので、やはりいつも使っているマスターコンプを使用しました。

お気に入りのマスターコンプ。

プラグインも持っていますが、やはり実機の方がキックがムチムチして奥行きがあります。今回のミックスはプラグインだけではお手上げ状態だったので、手持ちのアウトボードには、かなり助けられています。
写真をよく見ると、手前に助手が写り込んでいますね。

 

肝心のライブDVDはと言うと、
現段階で音声ミックスは7割くらいまでは仕上がっています。

やはり、どう逆立ちしても綺麗な音にはなりません。
それとは引き換えに、あの日の臨場感や、よりライブらしい雰囲気が封じ込められた音声にはなっていると思います。

スピーカーの前で音を聴いて、自然に身体が動くかどうかを判断基準に、自分自身が振り返った時、このライブ音源が最高に好きだと言えるよう、最後まで突き詰めていきます。

長くなりましたが、ライブDVDは発売します!
発売時期などはまたお知らせしますね。

SHIGE