ついに「ノスタルジア」の歌をレコーディングをやり始めました。
この楽曲は難しい歌で、活きるも死ぬも歌次第という感じです。
難しいと言ってもメロディの音域が8オクターブあるとか技術的な話ではないですよ。
あっても歌えないけど。

歌というのは当たり前ですが声が出せれば誰でも歌えるし、上手な人は沢山います。
楽器はギターなどで言うと弦を押さえて任意の音を出すわけですが、奏法や音色によって様々な表現ができます。
歌も同じ考え方をすると声色と歌唱法によって様々な表現をする楽器です。声色というのはもって生まれたものなので変えることができないです。歌唱法は努力次第で変化するものだとは思いますが、限界があります。
そう考えると歌というのは可能性という意味ではあまり広がりのない楽器のように聞こえてしまいますが歌には他の楽器にはない決定的なものがあります。

言葉です。

音楽は音を使って表現するものなので、言葉は音楽ではないと思うのですが歌を歌う時には言葉を使います。
[ 声色 + 歌唱法 + 言葉 = 歌 ]
となる訳です。
なんか変な参考書みたいになってしまいましたが、
言葉はそれ自体で表現や意志の伝達が可能ですから、音楽を加えることによってさらに広がりを持たせることができますよね。

これだけ聞くと歌って凄い。何でもできそうな気になるのですが不思議なことに歌を聴いていると伝わる歌と伝わらない歌があります。
主観の話なので少なくとも自分はそうなのですが、歌詞で見ると言っていることがわかるのに歌で聴くといまいちピンとこない、反対に歌詞で見るとよくわからないけど歌で聴くと感じるものがあったり、もちろん歌詞を読んでもよくわかるし聴いても伝わるという歌もあります。

その要因は何だろうっていつも考えます。
歌を歌う者としては知りたくて知りたくて仕方がないですが、謎のままです。

突き詰めていくと、母音や子音のメロディーとの絡み方やその言葉を発声してるときの声色の周波数帯域や倍音の出方など、きっと様々な要素があるのでしょう。

そう言えば昔テレビ番組でヒット曲を科学的に作るというのがあり、
その番組にも出演していた方と色々と話したことがあります。音楽療法について研究もしていて論文なども見せてもらいましたが、俺には少し難しかったです…。少しね。
人間にとって心地良いメロディーや音色などがあるというのは何となくわかるのですが、自分の音楽に関連付けることはできませんでした。

歌はこうすればいいという答えがないから少しでも伝わるように努力したり工夫したりするその過程が苦しくもあり楽しくもあるのかなと思います。
自分の声色を使った演奏としてではなく、歌として聴いてもらうにはどうすればいいのか?ということを考えながら一言一言噛みしめるようにして「ノスタルジア」を歌おうと思っているので楽しみにしていてください。

SHIGE

 

メッセージを送りたい方は、コメントを投稿してください。
※投稿されたコメントは公開されることはありません。