北海道撮影紀行 続き

前回の記事の続きです。

天候に阻まれて、
ENDLESSのアルバム発売が延期となってしまうのか!

という場面でしたね。

おそらく前回の記事を読みながら、
ENDLESSフリークの皆は、
「撮影を完遂するまで帰ってくるな!」

と叫んだに違いありません…。

 

その日は何とか晴れ間が出ないかと、
しばらく頑張ってはみたものの、
一晩中、雲が晴れることはありませんでした。

しかし、
ここで引き下がる訳にはいきません。

今日がダメならばまた明日。
ということで、

翌日。

同じ撮影スポットまでやって来ました。
雲はあるものの星空を期待できそうです。

前回の夕暮れの写真もパッとして良いですが、
こういう写真の方が好みなのです。

 

天気がマシなせいか、昨日とはうって変わって
自分の他にも大きなカメラを持った数人が夕景を撮影していました。

夕暮れ時の撮影でいつも思うのは、
太陽が沈んだ途端に撮影をやめてしまう人がほとんどです。
日が沈んでからしばらくは肉眼では見えなくても、
空はまだ焼けていて素晴らしいグラデーションが残っていますので、
写真が趣味な方はしばらく粘ってみる事をおすすめします。

この写真を撮影した時も、もう誰もいなくなっていました。

いや、待てよ。
もしかして皆は旅館での美味しい晩ご飯が待っているから、
そそくさと帰ったのでは?

食材の宝庫、北の大地のディナー…、
ゴクリ。
う、羨ましくなんかない!

ご馳走よりも大切なものがあるじゃないか。
そう言い聞かせて、
セイコーマート(コンビニ)で買ったおにぎりをほおばりながら、
しばらく星が出るのを待っていました。

そうこうしている内に、
すっかり空も暗くなり。

まさに暗闇となった誰もいない雪上で、

ついに!

星が出ました!

これはテストで撮影した1枚なので荒いですが。
肉眼では星がぽつぽつ出ているくらいの暗闇でも、
カメラのイメージセンサーにはしっかり写っています。

ありがたいことに、
必須条件だった、きっかり2時間だけ星空が出ていました!

完成版の写真をまだここに載せる訳にはいかないですが、、、

撮影は成功です!

これでアルバム発売は延期されません。

ホッと胸をなでおろしました。
目的を果たす事ができましたので、
ここからは自由に、閃きのまま撮影するだけなので気楽です。

 

気が抜けると疲れがドッと出てしまいましたので、
一度、宿に戻り少し仮眠をとります。
今度は日が昇る場面を撮影したいので深夜のうちに出発。

オホーツク海は日が沈む方角なので、
日の出は山の上に行かないと見られません。

夜のハイウェイ(一般道しかないです)を目的地まで70kmほどの道のり。
街灯のない北海道の広大な暗闇は、車のハイビームでも照らしきれません。
他に車など走っていないのでとっても寂しい。

知らない人もいると思いますが、
霊感などまったくないはずなのに、そういう方面に対して極度の怖がりなのです。
どのくらいかというと、電気を消して眠るのも怖いくらいなので、
この暗闇を一人走るのは恐怖です。

夜の峠に車を走らせながら、
「横を見たら、おばあちゃんがこっちを見ながら同じ速度で走っていたらどうしよう!」
などと訳の分からないことを考えてしまう有り様です。

撮影のためだという一念だけが正気を繋ぎ止めています。
なぜこんな怖い思いをしなければならないのか、、
今度からは夜の撮影にはTETSUも誘おう。

そんな事を思っている内に目的地に到着。
前日の昼間にも訪れた美幌峠展望台に来ました。

雲がかかり月もおぼろですね。
外はもの凄い強風で、車の外気温度計には-8℃とあります。
北海道の人にとっては何ということはない気温なのでしょうね。

車の中で、
またもやセイコーマートで買っておいたおにぎりをほおばります。

昨晩もおにぎりだったな。
食材の宝庫、北の大地まで来てまたもコンビニのおにぎりか…。
そう考えると涙が出そうでしたが、氷点下だから涙も凍ってしまいそうなので、
グッとこらえて撮影に向かいます。

薄明かりに浮かぶ屈斜路湖もなかなか幻想的です。
無情にも雲がかかっていて、
一瞬の晴れ間を期待しながら2時間ほど頑張りましたが
ついに朝焼けを目にすることは叶いませんでした。

そんな時もあります。
大切なのはそこにある状況の中で、できる限りを尽くすことです。
顔を上げて次に向かうしかない。

 

明るくなってからは、
twitterでおすすめしてもらった硫黄山に行ってみました。

看板に「許可者以外の蒸し玉子販売にご注意下さい。」と書いてありますね。

これは想像でしかありませんが、
歩いていると、
「兄ちゃん、兄ちゃん!蒸し玉子あるで!買うていかへんか?」
無視して行こうとすると、
「あっ!わかったわかった。兄ちゃんも交渉上手やな~負けたわ、しゃあない!3個で200円でどうやっ!」
…と、そんな感じでしょうか。

他にも
「車上狙いが発生しています」
と注意喚起の看板があるので、

蒸し玉子をほくほく食べながら車に戻ると、
金目の物はなくなっているというパターンですね。
恐ろしい場所です。

幸いにも朝早いので誰もいませんでした。
ホッ。

さらに気になる所を撮影しながら
ひたすら移動を繰り返します。

地図上の突端マニアとして、能取岬の先まで行ってみたり。

オホーツクに消ゆ、のゲームをやっていない人からするとよくわからないでしょうが、

巨大ニポポ像を発見!
涙の痕がないので浦田のじいさんが彫ったものではありませんね。
(ゲームの話です)

偶然見つけたので、少し興奮してしまいました。

 

ドライブが好きにとっては、
北海道は移動しているだけで楽しいものです。
たくさんの景色を目に焼き付けて、帰りの飛行機に乗り込みます。

一時はどうなるかと思いましたが、
これで、思い描くアルバムの完成へとまた一歩、近付きました。

SHIGE